
なぜ沖縄本島で“民泊用賃貸”が注目されるのか?【2/5】
2025年10月05日 13:31
沖縄本島に不動産をお持ちのオーナー様にとって、いま注目すべきキーワードが「民泊用賃貸」です。通常の居住用賃貸に比べて高い賃料を得られる可能性があり、しかも借主は「民泊を運営したい」と積極的に物件を探している事業者や個人です。では、なぜ沖縄本島でこれほどまでに“民泊用賃貸”が注目されているのでしょうか。その理由を、宿泊需要と市場背景の両面から解説いたします。
【観光需要の増加と宿泊施設不足】
沖縄は日本屈指の観光地であり、国内外からの旅行者が右肩上がりに増えています。2024年度には観光客数が1,100万人を超え、過去最高水準に近づきました。特にアジア圏や欧米からの外国人観光客が急増しており、「日本のリゾート=沖縄」というブランドがさらに強固になっています。しかし、その需要に対して宿泊施設の供給は十分とは言えません。夏休みや連休にはホテルが満室となり、価格も高騰。特にファミリーや長期滞在を希望する旅行者にとって、手頃で快適な宿泊先を確保するのは難しい状況です。この宿泊施設不足が、借主(民泊運営者)が物件を求める大きな理由になっています。
【借主のニーズ:「借りてでも民泊をやりたい」】
いま沖縄本島では、民泊を運営するための物件を探す借主が増えています。彼らは「自分で物件を所有していなくても、借りてでも民泊を始めたい」と考えています。なぜなら、観光需要の高さから、民泊運営による収益が十分に見込めるからです。近年、ホテルよりも「一軒家や広めの部屋を借りたい」という旅行者が多く、民泊の人気は年々上昇しています。借主にとっては、多少高い賃料を支払ってでも収益を得られる見込みがあるため、物件確保の意欲が強いのです。この点が、通常の居住用賃貸と大きく異なる部分です。
【通常の賃貸 vs 民泊用賃貸の賃料差】
オーナー様にとって最も魅力的なのは、賃料水準の違いです。この差は、借主が「宿泊料収入を得られる」ことを前提に賃料を負担できるからです。オーナー様にとっては、同じ物件をより高い条件で貸せるという大きなメリットにつながります。
■那覇市内のマンション(1LDK):通常賃貸では月8万円前後 → 民泊用賃貸では10〜12万円で貸せる可能性があります。
■恩納村の戸建て:通常賃貸では月10万円程度 → 民泊用賃貸なら15万円以上で貸せる可能性あります。
■本部町・今帰仁村の戸建て:通常賃貸では6〜8万円程度 → 民泊賃貸では12万円以上で貸せる可能性があります。
※立地、築年数、間取、広さなど諸条件によってはそれ以上になることがあります。
【ジャングリア沖縄開業でさらに拡大する需要】
2025年7月25日、沖縄県北部・名護市と今帰仁村にまたがる大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が誕生しました。恐竜サファリ、スカイフェニックス、熱気球など20を超えるアトラクションを備え、開業初年度の来場者は100万〜150万人と予測されています。沖縄県の試算では、地域経済への波及効果は2,177億円、そのうち約1,300億円が宿泊関連需要に向かうとされています。実際に北部のホテルでは、ジャングリア開業を機に稼働率が大幅に上昇しており、予約が取りづらいと聞いています。つまり、名護市・本部町・今帰仁村などの北部エリアでは、これから数年間、民泊需要が拡大していくと見込まれます。これはすなわち、「民泊をやりたい借主がますます増える」ということを意味しています。
【まとめ】
沖縄本島で“民泊用賃貸”が注目されるのは、以下の理由によります。
■観光需要の増加と宿泊施設不足
■借主の強いニーズ:「借りてでも民泊を始めたい」
■通常賃貸より高い賃料で契約できる可能性
■ジャングリア沖縄開業によるさらなる需要拡大
オーナー様にとっては、これまで空き家や低収益賃貸で悩んでいた物件を「収益資産」に変える大きなチャンスです。次回は、オーナー様が民泊用賃貸を進めるにあたり、【契約形態や注意点】について詳しく解説いたします。